働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

霜月さんはモブが好き3

霜月さんはモブが好き 3 (GCN文庫)

《あらすじ》
「北条家との縁談が決まった」
自身にとってトラウマそのものである母親から、結月と婚約しろと告げられた幸太郎。しかし、しほがそれを認めるはずもなく……「絶対に、やだっ」と泣かせてしまう。
不甲斐ない自分とこの状況を変え、しほに想いを伝えると約束した幸太郎は、かつて“親友”だったキラリにある提案を持ちかける――。

ー-【メインヒロイン】に愛されているだけで、お前はただの【モブ】なのに

ラブコメ作品の【主人公】のようなクラスメイト、ヒロインのような【幼馴染み】や【義妹】たち。
まるでラブコメ作品のような日常で【メインヒロイン】霜月しほと【モブ】中山幸太郎の恋人関係は紆余曲折もあったけど着々と距離を縮めている状況。

そんな二人の関係に平穏が訪れることもなく、この【物語】の舞台裏で常に画策を続けるメアリーの存在。そして、幸太郎に染み付いた【モブ】としての立ち居振る舞い、幸太郎のトラウマとして深く根付く母親の襲来。
全てを【物語】として操る存在により容赦なく選択肢を迫られる局面が訪れ、幸太郎としほの恋人関係に幾度となく亀裂を生じさせるシーンが訪れるが、そのたびに二人の間で言葉を交わし、自らの殻を打ち破るように決断を下す。
登場人物たちの日常を【物語】としてとらえるメタ的視点、理不尽な展開、都合の良い展開。幸太郎としほのラブコメをさらに俯瞰してとらえる物語の構成とそこから繰り出される展開がとても新鮮で面白い作品です。
シリーズ3巻を通していつも触れるものの真新しさがあって、読むのをとても楽しみにしているのですが、今回もとても素晴らしかったです。

ラブコメ作品は世に数多くあると思いますが、やや変化球なタイプの作品を探している人にはおすすめの作品かもしれません。
興味があれば、ぜひとも読んでみてください。

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