働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 5. じゃあ、まだ30になってないけどアタシにしとこ?

《あらすじ》
かつて永遠の友情を誓い合った悠宇と日葵も、今ではすっかり夢と恋に揺れる高校2年生。
東京で新たな仲間と出会い、クリエイターとしての現在地を知った悠宇。しかし充実した旅の代償は大きくて……。
「だって、アタシは悠宇の運命共同体(きょうはん)だからね」
「いいよ。わたし、ゆーくんのこと諦めるから」
 何も知らない日葵と、全てを知っている凛音。悠宇は自らの嘘と罪に向き合う覚悟を決めるが――1枚の写真がきっかけで予想外の展開に!?
「貴様ら、自分の高校生活が自分のものだと、いつから錯覚しておったのだ?」
怒涛の夏休みも終わり“you”として初めての文化祭が近づく中、3人にあいつからの試練が訪れる!!

凛音が小学生の頃からの初恋は東京旅行での出来事を決め手に一つの結論に至り……。
悠宇は東京で出会った同世代のクリエイターたちの活動実績と経験を目の当たりにし、自らが目指すクリエイターとしての道のりの現在地を知り……。

高校を卒業をして大学に進学するもの、就職するもの。漠然と進路を決める人間が多いなか、確固とした夢や目標を抱きクリエイターとしての険しい道のりに挑戦し続けるとても稀有な生き方。
そんななか、かつて永遠の友情を誓い合った女の子と恋におち、彼氏・彼女の関係性になりごく普通の高校生らしく仲睦まじいやり取りが繰り広げられる。
クリエイターとしての生き方。彼女との日々。
東京での同世代のクリエイター仲間との出会いが悠宇の中に、どんな小さなチャンスも逃したくないと思わせるほどに気持ちを変え、より一層クリエイター魂に火をつけることになる。

凛音の積極的なアプローチを袖にしている事実は『日葵という彼女がいる』ことで腑に落ちる部分もあり消化できました。しかし、強すぎる情熱と夢に向かって一直線に突き進む現状が、これまで隣で夢を応援してくれた日葵との間にまで温度差を生み出すにまでになるとは……。
究極的には都市伝説と言ってもいいレベルの『仕事とわたしどっちが大事なの』に直面する展開となっていて、これまでのシリーズのなかで最も日葵との距離に開きを感じさせる絶望的な局面へと突入していてなかなかに焦燥感を掻き立てられました。
もう最新刊が楽しみでたまらない結末でした。待ち遠しいです。


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