《あらすじ》
藤森高校ラグビー部主将の原田伊織。高校三年間の集大成として全国大会出場を目指し練習に励んでいたが、クラスメイトで藤森高校でも有名な美少女・瀬尾小春とふとした拍子に目が合うことに気がつく。母親からもゴリラと言われるような伊織と接点はなく、不思議に思っていた伊織だが、ある日小春に呼び止められる。
「あ、あのね原田くん。……わたしと一緒にお弁当……食べない?」
とまどいながらも浮かれる伊織だが、いざ小春の作ったお弁当を食べてみると――衝撃的に不味かった。だけど、小春の作る料理が不味いのにはある理由があって――?
第10回講談社ラノベ文庫新人賞<佳作>受賞作、登場!
ラグビー部の主将で全国大会を目標に日々部活で練習に励む原田伊織、全国的にも有名なピアニストで高校でも有名な瀬尾小春。
これまでの学校生活で接点のなかった二人が小春のひょんなことをきっかけとして出会い、一緒に過ごす時を重ねていくうちに仲良くなり、お互いのことを少しずつ知るなかで二人の運命が大きく動き出す。
ボーイミーツガールな青春ドラマを描いた作品でとても王道なストーリーとなっていて、原田と瀬尾は性格も住む世界も生き方も異なる二人だけれど、そのなかで自分にはないものに惹かれる姿などをはじめとした心理面の描写がとても丁寧に表現をされていて良い作品でした。
それでいて、イラストレーターの“椎名くろ”さんの挿絵の構図がとにかく最高で青春っぽさを感じさせる映えるイラストなのが凄く良かったです。