働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も寝れない。

《あらすじ》
「あなた、それはキャンプに対する冒涜よ?」
自他共に認めるインドア派の俺・黒山香月は渋々来ていた恒例の家族キャンプでとある女子に絡まれる。
四海道文香。学校一美人だけど、近寄りがたいことで有名な先輩。
――楽しむ努力をしてないのにつまらないと決めつけるのは勿体ない。
そう先輩に強引に誘われ、急きょ週末二人でキャンプをすることに!?
一緒にテントを設営したり、ご飯を作ったり。自然と近づく先輩との距離。そして、学校では見せない素顔を俺にだけ見せてきて――。
週末同じテントで始まる半同棲生活、北海道・小樽で過ごす第一夜。

インドア派にはインドア派なりの余暇の過ごし方があり、アウトドア派にはアウトドア派なりの余暇の過ごし方がある。
キャンプへ興味を持ったきっかけが学校一美人の先輩との出会いだとしても、未知の世界に対する先入観を捨て、キャンプの奥深さや風情を味わうにつれて徐々に考え方を改めていき、新たな世界へと飛び込んでいくエネルギッシュな姿に「これが青春か……」と感嘆させられました。

『キャンプ』というジャンルをラノベに落とし込んで作品に仕上げたものはおそらく数少なく、とにかく読んでいて自分の知らない新たな世界を見せてくれるフレッシュな展開が良かったです。
「埃被った肉食って何が旨いんだよ!!」とは今後は口が裂けても言えなくなりそうです。キャンパーに対する冒涜です。

高校で免許の取得が禁止されていなければ取得可能な単車の免許をヒロインが所持していて、キャンプ目的地までニケツする高校生男女の光景が描写されるのは後にも先にもこのラノベ限りな気がします。とにかくキャンプというものの風情や醍醐味をひしひしと感じさせられる作品でした。