働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか? 3

《あらすじ》
センパイ、もう一回です

ホラーハウスの第三の住人として、黒猫のクロスケを正式に迎え入れることにしたタマとレナ。
タマは生活費のため残業に打ち込み、そんなタマを支える喜びをレナは感じていた。
一方、レナの行方を探す姉の椛は、自身とレナとの関わり方に大きな問題があったのではと、失意の中で自問自答を繰り返していた――。

『知らせがないことはいい知らせ』
レナが実父の元から逃げ出し、東京に住むタマの元を訪れていた頃。レナの姉である椛のこれまでの生い立ちと一連の騒動を経ての心象風景、そして取り返しのつかない事態に直面したときの絶望。
運命共同体としての人生の破滅も受け入れたうえでレナとの同居生活を続けるタマの覚悟を描いていた舞台裏で、レナの姉に降りかかった衝撃の日常が事細かに綴られた1冊になっていました。

タマとレナ。二人の生い立ちも世間一般でいうところの“普通の家庭”とは縁遠い一面もあり、二人の同居生活はパズルのピースのようにお互いの欠けている部分を埋めあっている、そんな関係性に思えてきました。
しかし、レナとの生活により増えた生活費。自分だけの人生だけでなく、レナの人生も背負う覚悟を決めるタマの決意。
生活費を稼ぐため、これまでのタマの生き方を変えていく姿。変化を与え、良い方向に変わっていくきっかけになったのがレナの存在あってのものだと考えると、二人の出会いがたとえ社会的な破滅を含む関係性であったとしても、壊れてほしくはないなと考えてしまいます。

家出JK×サラリーマンの非道徳同棲ラブコメといった感じの作品で、二人の独特の人生観には驚かされるばかりです。とても読み応えのあるラブコメ作品でした。