働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

未来から来た花嫁の姫城さんが、また愛の告白をしてとおねだりしてきます。

《あらすじ》
「ごめんなさい。あなたの想いに、応えてあげることができないわ」
片思いをしていた相手と同じクラスになり、嬉しさのあまり勢いで告白したものの、当然のようにフラれてしまった。
そんなどん底の気持ちで帰宅したボクを出迎えてくれたのは――。
ついさっきフラれたはずの相手・姫城冬花その人!?
でも、なんかちょっとだけお姉さんでセクシーな気もするし、なぜかウエディングドレスも着ているし……。
どうやら六年後の未来から来た姫城さん本人で、そこではボクと結婚しているとか言い出すし、なにか目的もあるらしく。
失恋した相手と未来で幸せな結婚をするための同棲生活が始まる!

未来の花嫁の登場により確定した結婚生活と約束された幸せな未来。告白してフラれたはずの相手が未来の花嫁という謎現象。
タイムトラベルによってやってきた未来の花嫁との幸せな同居生活を送るとともに、後悔のない人生を送るため未来を改変していき家族が笑顔になれる世界を目指していく姿なども描かれていて、SFチックなハートフルラブコメディ作品でした。
同じ時間軸に二人のヒロイン(姫城冬花(高校生)と姫城トウカ(未来))がいる、ある種のダブルヒロインな構図。
「(わたし以外の女と仲良くする姿がモヤモヤする)」
そんな、自分と姿かたちが瓜二つの存在に嫉妬するという何とも滑稽な感じがまたヒロインの愛らしさがあって、可愛いヒロインでした。
それと『タイムトラベル』の要素があるため、現代を生きる主人公が幸せな結婚に至るまでの人生がバタフライエフェクトなどにより、本来たどるべきはずの未来からそれてさらなるカオスを生み出すのではと詮索したくなります。極端なことを言えば、未来の嫁が二人ないし三人に増えるとか。
タイムトラベル×ラブコメディの取り合わせで繰り広げられる作品としてとても魅力のある設定で、今後はどのような展開をたどっていくのかとても楽しみな作品でした。
新人賞受賞作としては、ラブコメというラノベ業界で強豪がひしめきあうジャンルのなかでも『タイムトラベル』という要素を掛け合わせて、確固とした存在感を放つ作品だと思いました。

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