働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

たかが従姉妹との恋。

《あらすじ》
初キスの相手は四つ年上の従姉だった。

初めてキスをしたのは幹隆が小学六年生の時、相手は四つ年上の従姉「あやねえ」こと、中堂絢音。
「みっくんはさ、私のこと。いつかは絶対に、忘れないと駄目だよ」
だが、幹隆はいつまで経っても、あやねえのことを忘れられずにいた……。

幹隆の祖父・中堂源一郎が死んだ。大富豪であると同時に恐ろしい女たらしだった彼にはたくさんの孫がおり、彼の遺言状により孫たちには都心にあるマンションの一室が与えられた。
都内の高校へ進学し、そのマンションで一人暮らしを始めた幹隆は、懐かしい人物と再会する。同い年の従妹・真辺伊緒と、その双子の妹の真辺眞耶。彼女たちもマンションの一室を相続したことで、故郷の三重から東京へ越してきたのだ。互いの部屋を行き来してのお泊り会など、幹隆にとっては不本意ながらも彼女たちとの賑やかな日常が始まる。

そんなある日、幹隆はマンション内であやねえと再会する。彼女もまた同じマンションの住人だったのだ。
大学二年生になった彼女は、幹隆の鮮烈な記憶の中のまま美しく成長していて……。

初恋の相手は四つ年上の従姉だった――甘くて苦い恋物語。

『日本では4親等以上離れていれば親族同士の結婚も認められています。 従姉妹は4親等にあたるため、結婚が可能です。』

小学六年生の頃にした四つ年上で高校一年生の従妹との忘れられない初キスの思い出。
高校生へと成長した今でも覚えている出来事に想いを馳せながら、疎遠となった従姉妹に抱いていた気持ちを秘め過ごす日々。
そんな日常がある日を境に一転して、同い年の従妹たち真辺伊緒・真辺眞耶、大学二年生になった中堂絢音と同じマンションの住人となったことで、平穏な日常は終わりを迎え狂い始める。

親戚であり、最も近しい異性であり、気心の知れた相手でもある【従姉妹】という男女の距離感から形成される繊細な感情の機微が丁寧に描写されていて、一緒の空間で過ごすなかでの無意識に漏れ出る反応、そこに推し殺されている感情を読者目線でくみ取るたびに【従姉妹】の距離感が作り出す複雑な人間関係が伝わってきて考えさせられます。

主人公の忘れられない難儀な恋の行方と結末がとても気になる作品でした。


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