働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

恋愛クソザコ女が、大好きなあの子のカラダで迫ってくる

《あらすじ》
政治家を目指している少年、弘樹は、ずっと好きだった桃島うるはに一世一代の告白をした。ところがその時、何故かうるはは日本初の女性&史上最年少内閣総理大臣で世界中話題沸騰の鮫島冬華と中身が入れ替わっていて……!? 当然冬華の身体にはうるはが入っていて、国会は大混乱!? せっかくの告白がこんな形で……と思っていたところ、「貴方の彼女になろうと思うの。学生時代、不要とばっさり切り捨てた恋愛を、いい機会だから経験してみたいって……」見た目は好きな女の子、中身は日本のトップと付き合うことに!? そんな中、うるはは国会で、冬華は学校で大事なイベントがあり……?


全国模試最下位のぽんこつ残念ヒロイン“桃島うるは”、日本初の女性&史上最年少内閣総理大臣“鮫島冬華”の突然の入れ替わり。
総理大臣の身に起きた事実を公にするわけにはいかず、主人公を中心とした数少ない事実を知るメンバーで難局を乗り越えるためにそれぞれが動くなか、ヒロインたちの間で燻ぶり始める恋愛感情やうるはと冬華の体が入れ替わったことで生じた主人公との心理的距離の変化に抱く想いがとても印象的な作品でした。

物語の冒頭を読んだだけでは、桃島うるはと鮫島冬華は入れ替わり騒動の被害者同士で一刻も早く事態の収束に動く協力関係であり、必然的に主人公の同じ学校に通うことになった鮫島冬華とも協力を仰ぐだけでそれ以上でもそれ以下でもない、そんな空気でした。

しかしながら、総理大臣の束縛から離れ、ごく普通の年相応の生活を謳歌する鮫島冬華として過ごしていくうち、“ただの平凡な男子高校生”としてしか認識していなかった主人公に対して別な感情を抱き始めることに……。
主人公が好意を抱き告白したのは桃島うるはであり、この体の持ち主であり、決して鮫島冬華ではない。

不思議な現象によって出会うこととなった主人公を中心とした三人の運命が大きく変化し交錯する感情が、とても悩ましくも甘いラブコメディとなっていてとても素晴らしい作品だと思いました。




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