働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

たかが従姉妹との恋。2

《あらすじ》
四人の従姉妹、正体不明のキスとその真実。

四人の従姉妹たちとのお泊り会の夜に事件は起きたーー。

皆が寝静まったころ、幹隆は誰かにキスをされたのだ。だが暗闇の中ということもあって、誰にキスをされたのかはわからなかった。ただひとつ確かなことは、その人物が泣いていたということ。幹隆はここに至るまでの三週間のあいだに起きた出来事を一つ一つ思い出していくーー。

テスト勉強でファミレスに通っているうちに次第に仲良くなっていったミステリアスな女子中学生のこと。バッティングセンターで凪夏にコーチしてあげたこと。新たにやって来た従妹のこと。あやねえの愛車で出かけた小旅行。そしてその日の夜のこと……。やがて事態は、幹隆の想像を遥かに超えたものへと展開していく。

初キスの相手は四つ年上の従姉だった。ーー従姉に初恋したことから始まる、悲喜こもごもの青春模様。波乱を迎える第二幕が上がる。

小さい頃に初キスをした従姉へ抱き続けた初恋の気持ちは高校生になった今でも主人公のなかで燻ぶり続ける。
『従姉妹』という家族とも異性ともとれえられる関係性がもたらした高校生男女の独特の恋愛観や、相手との摩擦を減らすためにある人は想いを秘めたまま過ごし、またある人は感情がふとした拍子にあふれ出てしまう。
関係性を変えないために自分の感情を押し殺すこともあれば、関係性を変えようと自分の感情を吐き出そうとする。
『従姉妹』という恋愛のテーマを軸に登場人物たち一人ひとりの感情がとてもしっかりと形作られていて、作品全体で繰り広げられている青春劇が余すことなく見どころ満載でとても面白かったです。
主人公が小さい頃にした初キスが高校生の現在にもなって、まるで呪縛のように思い出として残り続けて恋愛感情にじわじわと影響するところがとても印象的でした。
たかだ従姉妹のの恋。されど従姉妹との恋。読み応えのある作品でぜひとも読んでいただきたい傑作です。

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