
夏目咲良はいつも独りだった。高校2年生の春、放課後に1冊のノートを拾ってしまうまでは――。
「俺の脚本の感想をくれ」
「どうだ、僕の実力を思い知ったか!?」
「見てきたかのように言い当てるねえ」
学校では猫を被っている椎葉弥太郎、頑固で思春期を拗らせている犬塚雲雀、穏やかだが底が知れない真木島秀和。
個性的なメンバーが集う演劇部の活動に意図せず巻き込まれた咲良は、その一員として雲雀の想い人・榎本紅葉の勧誘に協力することになり――?
これはちょっとした若気の至りと、青春と呼ぶには未熟な日々の小話。
dengekibunko.jp
本編で登場したサブキャラクター。夏目咲良、犬塚雲雀、椎葉弥太郎、榎本紅葉、真木島秀和たちが過ごしてきた高校時代の物語。
どのキャラクターも夏目悠宇、犬塚日葵、榎本凛音、真木島慎司の物語の上でたびたび登場してきた大人たちですけれど、高校時代の恥ずかしい恋愛事情や当人にとっての弱みになりそうな黒歴史が描かれていたり、大人になった彼ら彼女らの人物像が確立しているからこそそのギャップを楽しめる物語となっていて、最高に楽しめる1冊でした。
本編でもかなり濃い人生を歩んで一癖も二癖もあるキャラクターでしたけれど、高校時代も別の意味で磨きのかかった濃い言動が目立つ過ごし方をしていました。10年の時を経て人間は変わるもんなんですね……。
まあとにかく、だんじょるファンにとっては申し分ないくらいに楽しめる1冊になっていて最高でした。
夏目咲良×椎葉弥太郎の絡みが個人的に最高にエモかったです。