ヒロインたちが俺を崇拝する危ないヤンデレになってしまった。なぜ……?
「……私はもう君のことしか見えてないから。ずっと一緒にいようね?」
ギャルゲー世界に転生した俺は、ヒロインたちに迫られている。
しかし、一つだけ問題があった。
「ごめんなさい。私を捨てないで。嫌いにならないで」
「私が尽くすのは聡君だけだよ――死ぬまでね」
「聡様。貴方に助けられた御恩は一生をかけてお返しします」
それはヒロイン全員が病んでいるということだ!
一体どうして彼女たちはこうなってしまったのだろうか!?
――ところで、俺の【日記帳】はどこにいったんだ?
激重感情を抱くギャルゲー世界のヒロインたちが最高の笑顔を向けてくれ愛情表現してくれる姿と最恐の憎悪をこめて殺意を向けてくる姿がこの1冊に全て詰まっていて、史上最恐のメンヘラヒロインによるラブコメが楽しめる1冊になっていました。
殺意を抱いている人間に対して本気で「処す?」と言葉にしてもおかしくない。感情のブレーキが完全にぶっ壊れていて、メンヘラ属性を感じさせる日常アクションが本作のなかで随所にちりばめられていました。
ここまで精神的にぶっ壊れているヒロインは本当に恐怖しか感じないです。
ラノベのなか演出としてたまにある通常であれば白地に黒字で構成するところを、黒地に白字の構成で当該箇所の一人称視点の鬱々とした語りの地の分を演出するやり方。あれがまさにピッタリの作品でした。
そんなヒロインたちも死亡エンドを回避させてくれた入谷聡くんに対しては窮地を救ってくれた際の諸々のイベントをきっかけに激甘ラブコメヒロインムーブを仕掛けてくれて、外面は甘々ヒロイン内面は激重ヒロインというカオスを産み落としてくれました。
挿絵付きで憎悪と親愛の表情の両方が作中で描かれていて、本文・イラストともに凄まじい作品でした。
売れ行きも絶好調みたいですので、ぜひとも続きが発売されることを祈るばかりです。
