ほろ苦くも瑞々しい、科学と、恋と、ミステリー。
思うに〈青春〉というのは、よくできた推理小説のようなものだ。
失われてしまった恋愛成就の桜の謎。部活勧誘の小さな違和感。巨木の樹齢に秘められた物語。密室で消えたハムスター。壊れかけの生物部に捧げられた、高校生たちの切実な決断。
無関係だと思われたひとつひとつの因果はどこかでつながっていて、あとから振り返って初めて俺たちはそれを〈青春〉と認識する。そこでようやく気付くのだ。見落としていた大切なことに。
「検証してみようよ……科学的に!」
これは、科学をこよなく愛する高校生たちが日常で直面する数々の謎に挑む、綱長井高校「理学部」のささやかな活動記録。
――そして、一つの初恋が解き明かされるまでの物語である。
理系部活に集う秀才たちの高校生活を舞台にした青春ミステリー作品。
部活動勧誘、恋愛成就の桜の樹の謎。高校で新たに知り合ったクラスメイトたちと過ごす日常のなかで直面する謎やミステリアスな事件の数々。
一見して解決不可能な謎も理系部活らしく科学的な視点と手段を活用することで解決への導いていく。高校に入学し出会って間もない少年少女たちが共に活動する姿がまさに青春らしく、そのなかで芽生えた主人公の初恋がさらに青春を感じさせてくれる作品でした。
作中の何気ないシーンに散りばめられていた伏線が繋がったときに味わえるミステリーの楽しみと主人公の青春ストーリーという二つのジャンルが程よいさじ加減で書かれていて、堅苦しくこの物語を楽しむことができたのでとても読みやすかったです。
よって、初恋は証明された。 -デルタとガンマの理学部ノート1- - ライトノベル(ラノベ) 逆井 卓馬/遠坂あさぎ(電撃文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
