「……しちゃったね、キス」二人の関係が、さらに前進して――!?
水族館デート、花火大会。夏に向かってゆっくりと過ぎていく日常の中で、僕とひよりさんはお互いを想いながら一歩ずつ関係を進めていく。一方、勘違いを深める元カレは、勝手にとんでもないやらかしを――!?
ちっちゃくてデカくて可愛いひよりさんを本当の意味で幸せにできる主人公の存在が日に日に大きくなり、家族公認の仲睦まじいやりとりが見られるほどに、幼馴染みで元カレとの過去に日々との差が浮き彫りです。幸せの絶頂にいる現在の純愛ラブコメと地獄のような過去が起こしたざまぁとの対比が顕著に感じられました。
主人公・尾上雄介と彼女・七瀬ひよりの高校生カップルがクラスメイトたちにいじられながら恋人らしい空気感の青春ラブコメを見せつける一方、気が多くて浮気に走った元カレの幼馴染みが転落の人生をたどっていく地獄の日々が淡々と書かれていました。
幼馴染みとしての長年の付き合いで得られていた信頼も一度の過ちで本性が露見したことによって信頼は地の底にまで落ちる。幼馴染みとしてのアドバンテージを全て失って縁を切られたときの喪失感と、八方塞がりで打つ手なしの状況に立たされた時の絶望感が元カレ視点で描写されていて、ざまぁされる側が排除されたときの爽快感が味わえて良いサンドバッグでした。
ざまぁと純愛ラブコメが良いバランスでおさまっていて楽しめる一冊でした。ちっちゃくてデカいヒロインとの甘々イチャラブ満載の良いラブコメ作品でした。
