史上最大規模の災厄“瘴気氾濫”で魔力と記憶を失くした少年・八幡（はちまん）。彼は最強陰陽師一族『九頭竜家』最後の生き残りであり、戦えない無能なお飾り当主だった。そんな自分を慈しんでくれた義母＆義妹と穏やかに暮らしていたところ、未曽有の魔物大量発生により二人が命を落とす。慟哭する八幡だったが――!?
「試練成就の暁には、お前を災厄前の世界に戻してやろう」
奈落の底で神と誓約を交わした八幡は修行の末、最強の精霊術と九頭竜家流武闘を習得し【最悪が起こる前の日常】に舞い戻り――悪の根源を殲滅する！
大切なものを守るため無双する、最強主人公のやり直し×成り上がり陰陽師譚！
最強陰陽師一族の最後の生き残りである主人公。大切なものを守るため災厄前の世界へ舞い戻り、修行の末に手に入れた力により無能なお飾り当主から最強の当主へと成り上がり、陰陽師の世界で生き抜いていく姿を書いた和風ファンタジー作品でした。
陰陽師の世界では魔力に長けた女性が力を持つため女尊男卑が蔓延しているが、そのなかで例外的な存在が最強陰陽師一族【九頭竜家】の最後の生き残りである主人公・九頭竜八幡。
男性であるが陰陽師一族当主。陰陽師の世界で勤めを果たしている男性たちとの露骨な扱いの差が主人公視点で直面するたび、世俗から離れた陰陽師の世界における独特の風習や空気感があり、主人公が生きる世界がどういうものなのか、多くの男性たちがどのような扱いを受けるのかといった対比構造が描かれていて、作中の光景を通して陰陽師の世界を感じ取れました。
時間を巻き戻すことで親しい人たちが命を落とす世界へと舞い戻り、修行で身に付けた力を二周目の人生のアドバンテージを活かしつつ、最強の当主の立場と振る舞い方も改め新たな生き方を選んでいく。
和風ファンタジーな主人公のバトル描写もさることながら、当主として他家の陰陽師一族と折衝をするシーンも時間を巻き戻した影響で、周囲の人たちからは一夜にして態度を一変させ最強の一族としての風格ある主人公の登場。
いろいろな意味で最強の陰陽師一族としての正当性を体現させた主人公による無双譚が展開されているので、とてもワクワクさせてくれる展開の連続で楽しく読むことができました。作り込まれた世界観と主人公の無双が最高です。
神の試練で最強になった凡人当主、災厄前の世界に帰還して無双する 1 - ライトノベル（ラノベ） 奉/Ｇｅｎｙａｋｙ（オーバーラップ文庫）：電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
