女の敵にご用心!
「――他人に聞かせられないようなこと、言うつもりだったんですか?」
「……馬剃さん、いまの発言も人には聞かせられなくない?」
自分を好きな相手と話すのはわりと楽しい。
俺がそんな真理に目覚めた矢先、小麦色の風が目の前を駆け抜ける――。
「ターゲットは小麦色」「八奈見・ラーメン・食べ歩き」「温水佳樹生誕祭20●●」「間違いだらけのパジャマパーティー」などなど、バラエティに富んだ小篇を収録。
9巻にたしかに繋がる、オール書き下ろし短篇集!
短編集のなかでこれまで登場してきた数多くのキャラクターたちがそれぞれを軸にした日常が書かれているので、これまでの物語のなかで築き上げてきた人間関係や背景も踏まえて楽しめる一冊でとてもおもしろかったです。
八奈見さんがまだ幼馴染みに恋人ができる前(だと思う)頃のエピソードはもう「正統派幼馴染みポジション」のような家族ぐるみの付き合い方と関係性が構築されていて、「えっ、八奈見さんこれだけアドバンテージがあったのに負けヒロインなの?」と正気を疑いました。
それも踏まえると、負けヒロインに降格したあとの袴田家との距離感がどうなったのか気になるところです。
それから本編でわりと後半に登場した白玉リコ×温水和彦×温水佳樹の絡みはこれまでにない修羅場の火種が勃発する『混ぜたら危険』な組み合わせになってきていて、水面下でバチバチにやりあっているときの女同士のバトルがなかなかに良かったです。
抜群におもしろくて最高の作品でした。
