現帝国皇帝クレイヴァールに叛旗を掲げ挙兵したヴィルガルドは内乱状態の帝国領内に侵攻を開始。
同じく現皇帝に従わない‟領主連合”の領地を支配下に置くべく、まず母の実家であるリンゼント家を臣従させ、カッツバリエ領は複数ルートからの同時侵攻で陥落させた。残る‟領主連合”の大領地は二つ、クロストーバとディルタック。帝国の統一に向け領主連合最大兵力を誇るクロストーバとの決戦がヴィルガルドの命運を握ることになる――。
帝国の皇子として生まれたヴィルガルドは政変により国を追放され、その後に隣国へと逃れたところから帝国の統一に向けた勢力の拡大と快進撃が止まらない!!
戦記ものとして、主人公サイドと敵勢力サイドの視点から戦い全体の盤面が俯瞰的に描かれ、敵勢力の意表を突く戦術が繰り広げられたり、主人公勢力が戦いを有利に運ぶための布陣を敷いたりなど、戦いの行く末を決める流れが丁寧に書かれているのでとても読みやすいように感じました。
主人公であるヴィルガルドという旗頭が指揮を執り、大局を左右する存在として君臨しているからこそ成し遂げられている偉業であり、それが物語として仕上げられていることで楽しめる戦記ものなのだと思います。
そして帝国の統一を図る一方で、高貴な身分としての立ち居振る舞いをしていたヒロインたちと連日のように繰り広げている世継ぎを作るための行為を大変に美麗な挿絵付きで眺めることで、殺伐とした戦闘描写の間に挟まれる緩衝材的なものとして楽しませてもらいました。
この3巻でさらに局面は大きく動いてきたので次回はどのような幕開けとなるのかがとても楽しみです。
