《あらすじ》
神託によって、リュートの嫁になるためにPEACEMAKER本部を訪れた「天神教」の巫女ココノ。団員見習いとして、仲間たちと打ち解けていくココノだったが、ある日「天神教」にまつわる禁忌を目撃してしまい…。口封じのため差し向けられるは、大陸最強の暗殺者集団、処刑人。リュートは自らを慕うココノを、愛する嫁たちを守るため、彼らとの全面対決を決意する!「さぁ、淑女諸君、報復の時間だ」音もなく忍び寄る脅威を迎え撃つのは、凶悪な新型兵器と最新鋭の現代戦術。己を狩る側だと信じきっている者たちはまだ知らない。自分たちが踏み込んだのが、PEACEMAKERという名の地雷原だということを!
軍団《レギオン》、PEACE MAKERのトップで異世界転生者“リュート・ガンスミス”を筆頭にした軍隊ハーレムも、強敵たちとの激戦を潜り抜けてきた勢いで着々と婚約者も増えていき、もうどこまで一夫多妻制をエンジョイするのか心配になってくるレベル。異世界だからこそ許容できる文化ではあるけれど、婚期を逃して危機感を抱いているギルドの受付嬢の激情や他の冒険者のリアクションがたびたび、「あっ、やっぱりこの主人公やっちゃってる……」と再認識させられる。
異世界ハーレム要素を作品に盛り込むうえで、ヒロインの好感度と気持ちが固まりつつあるなかで最後の一線を引くことでヒロインの処女性が保たれているのももちろんあり。日常生活のなかで、主人公と触れ合う何気ないワンシーンに恥じらうヒロインの姿を楽しむのもそれはそれでありだけど、最後の一線を越えたうえでの夫婦円満を保っているハーレムというのもなかなかに新鮮。
3人も4人も5人も変わらねえ! そんな勢いで命の危機にさらされたヒロインもガンガン招き入れたことで、それに嫉妬した古参メンバーとの間に生まれた軋轢がきっかけでひとり失踪することになるとは……。うん、この作品はファンタジア文庫が送る“小説家になろう”書籍化作品のなかでも一番自分の好みにあう作品だな。