《あらすじ》
フィンランドからの留学生エイヤ・ビッカライネンは、誰に対しても無反応。クールな美貌と相まって、付いた綽名は“氷のエルフ”。でも実はただのコミュ障で、常に緊張しているだけ……とホームステイ先の俺、蒼井桜雅は知っている。
教室で皆が話すアニメやゲームなどのオタク系の話題に興味津々なエイヤからは、すぐにメッセージが飛んできて……「おうが、オーガ！ みんなが話している〇〇ってなんですか？」
コミュ障なのにオタトークに憧れるエイヤと出会って俺の人生も激変、いっしょに「はじめて」を経験してゆくことに。窮屈さや生きづらさを感じている全ての人に贈る青春ラブコメ！
留学生でやってきたクールな外国人美少女の正体がコミュ障なオタクだということを俺だけが知っている。おそらく主人公の身に起きた状況を長文タイトル風にするならまさにこんな感じだと思いました。
フィンランドから遠路はるばる日本に訪れ遠い異国の地でのホームステイ生活。高校生の間だけの期間限定。それでも、エイヤが日本語を身に付けてやってきた理由とは……。そこに秘められた彼女の想いの深さ、主人公とのオタク活動を続けていくなかであふれる笑顔や、日本での生活のなかで自らのコミュ障に向き合い成長しようと模索する姿も健気でラブコメヒロインとして最高に可愛かったです。
エイヤ＆桜雅の二人だけの空間で醸し出すラブコメ空間が作り出される一方で、教室でクラスメイトに囲まれているときのエイヤ（コミュ障状態）は“氷のエルフ”モード。クラスメイトに対しては塩対応、無口、無関心だけど教室での桜雅とのメッセージアプリでのやり取りはいつもどおり。このときのギャップも激可愛いくて良いです。本当にラブコメにおけるヒロインの魅力の引き立て方が半端ないです。
さて、作中では新人Vtuber“蒼夜もい”としてチャンネル開設したエイヤの日常がいったいどのようなものになるのか。新刊が楽しみです。
イラストを担当されている“Aちき”さん。ガガガ文庫の『塩対応の佐藤さん』シリーズが真っ先に思い浮かぶ方ですけれど、エイヤのイラストがメッチャ可愛かったです。これからも他の作品で担当される機会があれば是非とも読んでみたいです。
