働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

15歳でも俺の嫁! 2 即日同棲から始まる電子書籍革命

15歳でも俺の嫁! 2 即日同棲から始まる電子書籍革命 (MF文庫J)

《あらすじ》
カリスマJCモデル(15歳)との同棲宣言をした火野坂賢一の下に新たな少女・武美涼(15歳)が現れる。彼女はアリサと同じ学校に通う女子中学生で、賢一にいきなり同棲を求めてきたのだが…「あたしは今、狼と二人きりってこと…!?いえ、相手は妻帯者…でも15歳がストライクゾーンのロリコン…!?や…やさしく…してください」「待て待て制服のボタンに手をかけんな!?」しかも涼は歌って踊って“書ける”知性派アイドル&電子書籍作家としても活躍しており、MARIAと涼で紙の本と電子書籍との売り上げ勝負をすることになってしまう。本を愛する全ての人に捧げる恋と革命の出版業界黙示録、待望の第二弾!

15歳の女子中学生と同棲&婚約宣言の波紋はネットを通じて全国に轟いている地獄絵図。さらにとどめと言わんばかり、アリサの同級生でありアイドルの武見涼が同棲を求めに……。建前的に『同級生の自宅にお泊り』の免罪符があるけど、一躍時の人と化したロリコン火野坂賢一の火種にガソリンをぶちまけてさらに大炎上。書籍をテーマにした作品が女子中学生との同棲をスクープされるとかクッソ笑えるんですけどww
客観的に100%事件の匂いしかしない地雷をセッティングして地雷原を爆走する主人公の強心臓も凄いけど、ネットの炎上と世間の風聞に対してや街中で後ろ指を指される生活を送っていても平然としているメンタルの強さには驚愕しかない。

紙書籍 VS 電子書籍に関する一連の戦い。両者の売上対決に関しても、ひとりのラノベ読者としてまた紙媒体オンリーの自分にとっては非常に興味深いものがありました。
紙書籍が商品となるまでに要する時間に対して、電子書籍のフットワークの軽さと読みたい人にのみ商品を届けるまでに洗練されたプラットホームの優秀さ。インターネットによる通販が書籍の販売形態として台頭するなか、書店業界も旧態依然としたままでは時代の潮流に取り残されることも危惧され新たな販売戦略を模索する必要性を示唆されたり、会話に込められた情報量がとても濃かったです。それを取次会社に勤務する火野坂賢一を始め、書店業界最大手のご令嬢、電子書籍作家、編集者、書店員、小説家、様々な職種に属するキャラクターを通じて作品が出来上がるまでを物語として成立させており、本好きの読者の知識欲と同時に臨場感のあるラブコメが楽しめて大変面白かったです。

ちなみに自分は今年のこのライトノベルがすごいで投票させていただきました。是非皆さん買ってください。お願いします。