《あらすじ》
大手スーパーの文具部門で新任マネージャーとなった俺・筆塚ヒロトは、仕事漬けの毎日にすっかり憔悴していた。そんな俺の唯一の楽しみは、深夜帰宅後につまみを作って酒を飲むことだけだったはずなんだけど…いつの間にか、隣に住む腹ペコ女子・朝日さんと賑やかな半同棲生活をすることになってました。「し、深夜に揚げ物は犯罪なんですよ!」「今夜こそ誘惑に負けませんからね…!」「こんなに美味しいなんて優勝ですぅ…」優勝―それは大切な人と美味い料理で食卓を囲う瞬間のことを言う、らしい。腹ペコ女子があなたの暮らしを彩る深夜の食卓ラブコメ、召し上がれ!
著作『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』を読み、電撃文庫からの新刊に入りましたが、大手スーパーの文具部門のマネージャーとして勤務する主人公が仕事をする光景を描きつつ、深夜帰宅後に酒のつまみを調理して隣に住む大学生ヒロインの朝日さんと一緒に食事をとる半同棲生活を描いたお仕事もの×飯テロラブコメとして、前作にないジャンルでしたけどそれぞれのパートで一番面白さが引き立つ展開が詰め込まれていて最高に面白かったです。
おそらく社会人時代の経験も含めて主人公の境遇や仕事で生じるトラブルとそれを解決に導く方策を物語として落とし込んでいるのだと思いますけれど、読み手にとって経験のない業種の出来事にはある種の専門性が感じられそれが作品としての持ち味になりますし、作中の展開の全てにおいて新鮮味が感じられるのが良いです。
それでいて、主人公に悪意をもって接してくる嫌味な上司を業務中にぶちのめす勧善懲悪で爽快感もあって良い読後感でした。
隣に住んでいる女子大生ヒロインと晩御飯を共にする半同棲生活ラブコメも、日を追うごとに『一緒に食べるのがあたりまえ』な心地の良い関係にまで進展していて、二人の関係がこの先どのようなものになるのかも気になるところです。
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