《あらすじ》
「あなた達の次なる使命は、楽しい巣ごもり生活の発信よ!」
感染症の急拡大に伴い『緊急事態宣言』発出が決まったある日、
夕市と凪咲は、玲より次なるミッションを与えられる。「「でも期間中は家にいないと」」
「いてもらうわ……蔵木君の家にね」なんと凪咲が蔵木家に居候し、
【緊急事態宣言中の模範的カップル】
として理想のお家デートを発信・啓蒙せよと言うのだ。まぁ親も居るし……と受け入れ、幸せな同居生活を楽しむ二人。
ところがある日。
親が職場で感染、帰れなくなってしまい……!?くっつきたがりなギャルと理想の巣ごもり。恋の三密ラブコメ第2巻!
新型感染症の蔓延による緊急事態宣言。
外出自粛が呼びかけられ、人込みを避けるため自宅での日常を半ば強いられるカップルが新たな生活様式のなかで繰り広げられる青春ラブコメが描かれていて、なかなかに新鮮味のある日常が楽しめる作品でした。
今回はわけあって一時的に凪咲とのお家デート回(ほぼ同棲ラブコメ)。夏休みという長い期間を家のなかで過ごすはめになる一方で、『夏休みを恋人とずっと一緒に過ごす』イチャラブ展開が繰り広げられていて、さらには学校生活のなかでは描かれることのない恋人の新たな素顔を主人公の前でさらけ出してくれて、よりヒロインたちの個性を浮かび上がらせてくれる内容になっていてとても良かったです。
付き合いたてのカップルの次のステップで半同棲生活というのは、階段を何段くらいを飛ばしたのかわからないくらいのものですけど、それだけ『緊急事態宣言』の特殊さが際立った青春ラブコメだったんだと思いました。
また、これをきっかけに幼馴染みの亜紀と凪咲の恋の駆け引きも苛烈さを増し、交際中の主人公と凪咲の関係から隙あらば略奪愛も辞さない果敢なアプローチが仕掛けられていて、幼馴染みヒロインの良い面と悪い面が夏休みのひとときのすべてに濃縮されたような恋の結末になっていました。
亜紀の立ち回りと小さい頃から抱いていた恋心が本人視点で描かれていて、劣勢とわかっていても希望を抱きながら尽くす姿が凄く健気で、2巻で個人的には一気に株が上がりました。なんとか報われてほしい思いでいっぱいです。