これは嘘を真実に、空想を現実に変える、いや変えていった人間達の魂の物語である。西暦2070年。人類が謎の生命体マリスから襲撃を受けて半世紀以上の時が流れた。だがマリスに唯一対抗できる巨大兵器“黒き魔女”デストブルムのパイロット・セレンは絶望的な戦いに精神を疲弊しきっていた。そんなある日戦場に奇跡が舞い降りる。国籍不明の謎の戦闘機が出現、この世界に存在し得ない超兵器で、マリスを一掃する。盛り上がる人類。だが、戦闘機から出てきたのはこの世界での大人気アニメ「ドール・ワルツ・レクイエム」のパイロット、エイルン・バザットそっくりの少年で―。
MF文庫Jの宣伝とツイッターで話題にあがっていたから読んでみたが予想以上に面白く、2巻の発売も決定しているようで次巻の発売が待ち遠しい。人類を襲う謎の生命体マリスに立ち向かうための対抗手段として戦線に巻き込まれるセレン。戦いを拒むセレンであるが、人類もつ最後の切り札として所有するデストブルムのパイロットとして選ばれる。その機体を操縦することができるのはエレンただ一人であるために、戦線に出向く他の人間から強制的にデストブルムに乗り込ませられる状況。
本人の意見を無視してまで戦いに送り込まれるところはセレンに感情移入しすぎてむしゃくしゃするけど、そのむしゃくしゃを一掃してくれるのがエイルン・ハザッド。彼の来歴に関してはこの世界で大人気のアニメ登場人物という設定ではあるけど、話が進んでいくにつれてエイルン自身も知らない秘密が隠されているようで、そこに関しては今後の課題として徐々に明かされていくことになるだろうね。
エイルンのアニメの主人公さながらの熱血な性格で、助けをもとめるセレンを颯爽と救っていくスタイルはこれまで溜まりに溜まった鬱憤が一掃されるくらいスカッとするもので、読み終わりがとてもスッキリしました。
このラノベがラノベ読みの間で広がるだけでなくもっと多くの人の目に触れてアニメ化するまでいくことになればいいなぁ。もうマジでオススメなんで読んでみてください。