闇魔法によって負傷した水明は、行方をくらましたリリアナの捜索を開始する。このまま彼女が闇魔法を使い続ければ、体を蝕まれて廃人同然になってしまう。だが、その前にグラツィエラが立ちはだかり、水明は怪我をおしての戦いを余儀なくされてしまう。リリアナはどうして帝国で騒動を起こしたのか?謎を追いかけるうちに、水明は旅路を別にしていた黎二と再会する。帝国騒動の真犯人を見つけるため、二人は協力して事件解明を目指す―。異世界魔法と現代魔術が交錯する異世界ファンタジー、陰晴分かつ第4巻!
最強の現代魔術師・八鍵水明VS異世界の剣士にして七剣の一人・薄明
現代魔術を駆使して異世界最強の剣士と渡り合う戦闘シーン、異世界の魔術のメカニズムについて現代の理論をもって講義をするシーン、どちらも大満足な内容でOVL文庫のタイトルの中で毎回楽しみにしているタイトルの一つです。帯のキャッチコピー『最強の現代魔術師・八鍵水明VS異世界の剣士・薄明』からはもう面白そうな雰囲気しか感じられなかった!
全開の戦いにおいて、闇魔法によって負傷した水明の身は、十分な療養をとらなければ十分な魔術を行使できないほどに衰弱しきった状態。ベッドから這い出ることもなく、同居しているフェルメニアとレフィールに甲斐甲斐しくサポートをしてもらっている状況。水明の食事を「あーん」して楽しんでいるフェルメニアとレフィールの可愛らしい姿。4巻の開幕からこんな素晴らしいシーンを見れて思わずにやけてしまいました。
王都を出発する際、異世界の魔王を討伐するために旅に出た黎二と現代への帰還方法を探索し続けていた水明のパーティーが偶然の合流。魔族ラジャスを討伐した謎の『魔術師』の存在を知ることになった黎二たち。一方でそんな黎二とに対して魔術を扱えることをひた隠しにする水明。今回の出会いがきっかけで果たしてどこまで水明の秘密に気づくことになるのか。緊張の対面でした。
唯一残念だったのが表紙以外の挿絵がほとんどと言っていいほどなかったこと。いや、別にライトノベルにおける挿絵というのはちょっとした楽しみの一つでしかないのでそれほど重要視はしていないんですけど、楽しみがないというのはそれはそれで寂しい。イラストレーターの『himesuz』さんのイラストは結構好きなので余計に残念でした。