《あらすじ》
次々と異世界の魔術種を撃破してきたダークエルフ・シーナと、その眷属・練介。だが学園内における魔術種との戦闘でRV式駆動鉄騎を無断使用したあげくに損壊させた代償は大きく、謎の人物から騎士団への呼び出しを受けることに。
本部で出会ったのは、長門南駆動騎士団の筆頭RV駆操者にして若き団長・久瀬千紗人。そしてその傍らに立つのは、シーナと犬猿の仲である魔術種『エルフ』の女だった。
「エルフだ! 高慢ちきなクソ野郎!」
「さすがはダークエルフ。粗暴ですね」
思わぬところで出会った新たなる敵。一触即発の状況で、しかしエルフの眷属たる久瀬から提案されたのは、この世界を守るために協力関係を築こうというもので……?
ごく平穏な人間たちの暮らしの裏側で繰り広げられるのは、眷属となった人間と異世界の魔術種のコンビによるバトルロイヤルの日々。
敵となるのはクラスメイトであったり、騎士団団長だったり、とある新興宗教団体だったり……。
現代日本を舞台にして主人公が学生の身分としてごく普通の生活を過ごす一方で、誰にも知られないところでは異世界からやってきた魔術種たちを相手に日夜戦いの世界に身を置いている二面性がカッコいいですね。
強敵を相手にしていくうちに力及ばず重傷を負うこともあり、眷属と魔術種という構図が否応なく人間側の身体的な脆さを浮き彫りにしていて、このファンタジー×バトルロイヤルの舞台の過酷さが感じられます。
異世界からやってきた魔術種たちがそれぞれの特性を色濃く反映させた独特の能力を繰り広げていて、かつてないほどに壮大なスケールで激戦を繰り広げていて、最後の最後まで勝てる未来が見えないギリギリの展開の連続で熱かったです。
そんなファンタジー×バトルロイヤルを繰り広げる一方で、異世界からやってきた魔術種たちが最後の1人になるまでという終着点が見える争いということで、物語としての終わりが着々と近づいている事実を感じますね。
今回の戦いによりいよいよクライマックスへ突入という勢いになり、新刊が楽しみになってきます。