働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 11

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦 11 (富士見ファンタジア文庫)

《あらすじ》
『先に言っておくよ。これから映しだされる物語は、決別だ』
八大使徒・ルクレゼウスを退けた後、天帝ユンメルンゲンに帝都へと招かれたイスカ達。 天帝の指示の下、シスベルは灯の星霊で過去を再現する。映し出されたのは若き日の師匠 クロスウェル、ユンメルンゲン、そしてネビュリス姉妹で――
百年前。発展を続けていた『帝国』を舞台に紡がれるのは、『世界最悪の日』に至るまでの物語。平和だった世界の中で、なぜ始祖ネビュリスは生まれ、なぜ帝国は燃え落ちることになったのか。そして、全ての元凶たる星の中枢に眠るものとは。世界に潜む悪意と真実が、遂に明かされる――!

イスカやアリスたちが活躍する現在の礎となった“ネビュリス皇庁“、“天帝国”に隠された世界の真相がシスベルの“灯”の星霊の力によって映し出されることに……。
星霊をその身に宿し“魔女”と呼ばれ迫害されるに至った全ての元凶、天帝ユンメルンゲンの現在の姿やネビュリス皇庁が誕生する瞬間。
キミ戦シリーズがこれまで積み重ねてきて形作られた物語の世界観の知られざる姿がこの1冊のなかに、若き頃のクロスウェルを中心にして巻き起こる激動の日々を通して綴られていました。
これまでは宿命のように騒動の渦中で邂逅を果たすイスカ&アリスのどこかラブコメチックで壮大なスペクタルで繰り広げるファンタジーバトル展開を楽しむ感じでしたけれど、この11巻に至っては多くの人間の悪意によって引き起こされた悲劇とそれによって引き裂かれたクロスウェルやユンメルンゲンたちのドラマが綴られていて、この作品が好きな人ほど心に刺さるような内容でした。

キミ戦シリーズは1冊ごとに物語が綺麗にまとまっていて面白さを味わえる部分がある一方で、巻を追うごとに世界全体を俯瞰して描かれる物語があってより面白さが増す魅力があって、いつもいつも新刊が発売されるたびに読むのが楽しみな作品の1つです。
アニメの放送も終了しましたけれど、まだ読んでいない人には是非とも目を通していただきたいです。

bookwalker.jp