働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ぼくたちのリメイク Ver.β 3

ぼくたちのリメイク Ver.β 3【電子特典付き】 (MF文庫J)

《あらすじ》
茉平常務の策略を掻い潜るため、新たなゲームメーカーにて二つの企画を再始動させた恭也たち、元第13開発部。一癖ある社長、伊知川の下で、企画の立て直しから始めることに。プラチナ世代のメンバーも集結して少しずつでも着実に企画を進めていく恭也だったが、それを良しとする筈もない茉平、そしてサクシードソフト陣営も動き出す――。「もうすぐだ。もうすぐ……何もかもが消える。僕の手によって、消し去ってやる」錯綜する両陣営の思惑。企画の行く末は、そして最後に勝つのは――。ゲームを好きなすべての人へ、いま、ここからもう一度始める青春やり直しストーリー、第3弾!「僕は、ゲームを作ることをあきらめない」

ぼくたちのリメイクのスピンオフシリーズはこれにて完結みたいですね。
恭也と河瀬川が同じ会社に勤務し、上司の茉平常務の数々の策略に苦しめられながらも幾度となく立ち上がりゲーム制作に奮闘している熱い姿にクリエイター魂が込められていて読んでいる側も熱くさせられる素晴らしい作品でした。
このスピンオフ作品ではプラチナ世代のメンバーである奈々子たちと企画を通して初対面の物語なだけに、それぞれのキャラクターのイメージが本編と少し異なるところが新鮮でした。特に、本編では恋模様が描かれていた奈々子がスピンオフでは芸能人・アイドル感が物凄く強くて「本当に同一人物か!?」って思うくらいに違和感でした。

ゲーム制作は物創りに熱意を持った大人たちが子どものように楽しくやっている側面がある一方で、会社としての利益や方針が絡んで思い通りにいかない様子や苦悩が辛辣に描かれていて、シリアスな流れに突入するほどに大人の社会の理不尽さに心が振るわされる内容でした。
本当に様々な角度から“クリエイター”の世界が描かれている素晴らしい作品でした。

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