働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ぼくたちのリメイク 9 怪物のはじまり

ぼくたちのリメイク 9 怪物のはじまり【電子特典付き】 (MF文庫J)

《あらすじ》
「福岡に――いっしょに来てくれん?」体調を崩し倒れてしまったシノアキの付き添いとして福岡の実家へと向かった僕、橋場恭也。彼女が生まれ育った故郷を見て、家族と触れ合い、知らなかった一面を少しずつ知っていく。夜、連れてこられたのは彼女の亡くなったお母さんのアトリエだった。絵を描くことに向き合ってきたシノアキと家族との本当の関係性を知った僕は、一つの決断を下すことに――。大芸大では貫之、ナナコ、河瀬川、九路田、皆が一人一人で夢を追っていくなかシノアキを追い続けてきた斎川はとある異変に気付き……。青春作り直しストーリー、失ってしまったものを取り戻すための第9巻。

ラノベ作家としてのデビューをはたし、書籍化に向けて担当編集者とともに改稿作業を続ける貫之。
歌い手として活動を続けていくナナコ。
そして今、体調を崩して倒れてしまったシノアキを前に、絵を描いていく彼女のクリエイターとしての生き方の分岐点に立たされる。

これまでは恭也のアドバイスを創作の軸にしていて3人。
将来、その才能を開花させ1人のクリエイターとして生きていくためには自らの力で目の前に立ちはだかる窮地の乗り越えていく力を身に付けなければいけない。
それぞれが恭也の存在を自覚しながら、少しずつ新たなステージへの歩み始め、かつて恭也が生きてきた世界線で輝かしい活躍をしていたプラチナ世代のクリエイターとして向かっていく。まだ若く未熟な彼らのもっとも繊細で難しい局面が熱くそして感動的なストーリーでもって描かれている最高の1冊だったと思います。

シノアキが体を壊してまで絵を描き続ける背景に、彼女が生まれ育った故郷、彼女の家族との関係、そして彼女の亡き母親のアトリエの存在。
シノアキが決して体を壊さないように徹底した管理環境で創作活動を続けさせるのか……
身体や精神を壊しながらも0から生み出すクリエイターたちを思いの向くまま創作活動を続けさせていくのか……
恭也の目指すもの、信じるものとして自分なりの答えにたどりつけるのか。読者側としても深く考えさせられる展開でした。


bookwalker.jp

ぼくたちのリメイク(MF文庫J)(ライトノベル)の電子書籍無料試し読みならBOOK☆WALKER