働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ぼくたちのリメイク Ver.β 2

ぼくたちのリメイク Ver.β 2【電子特典付き】 (MF文庫J)

《あらすじ》
偶然出会った河瀬川に誘われ、サクシードソフトで働くことになった僕、橋場恭也。進めていた企画が発端となって常務と対立し、栄転とは名ばかりの異動で第2開発部、副部長に就くことに。分断されたものの、その後も13部のメンバーと共に空き時間を利用してどうにか企画を成立させる方法を画策するもさほどうまくいかず……。異動先での仕事も慣れ始めた頃、僕は河瀬川に呼び出される。「わたしたちの企画に力を貸して。もう一度、みんなと活気のある現場を作って、作品を作る手伝いをして欲しい」その企画はあの“プラチナ世代”との超大型企画だった――。いま、ここからもう一度始める青春やり直しストーリー、第2弾!

最大の敵はサクシードソフトの常務だったのか。

窓際部署の13部から花形の第2開発部に異動になった恭也。異例の大抜擢で風当たりが強い状況でも、やっぱり持ち前の能力の高さで仕事をバンバンとこなしていって認められていきますね。
それと、本編でも登場した九路田がスピンオフの第2巻で挿し絵付きで登場したときは、『あれだけ大学時代に癖の強いキャラクターが社会人になってどんな人間になってるのか』と思ったけれど、河瀬川と同様に仕事のできる優秀な社員ポジションになってた。本編の頃の刺々しい雰囲気は微塵もなくて、あっという間に恭也と距離を縮められていて、なんだか元の鞘に収まったような感じでした。

そして第2巻では冒頭にもあった第13部が建てた企画も反故にされ、社内で窮地に立たされた状況から物語が始まりました。
この作品を読んでつくづく思うのは、お仕事もので窮地に立たされたときの絶望感と本当に八方塞で打つ手がない雰囲気がとてつもなくリアルに感じられることなんですよね。それを会社のしかも常務に権力を振りかざしてこられたらタヒねますよ。
社会人になるとやる気と根性だけではどうにもならない大人の世界があるから怖い。

しかし、それでもみんなで活気を取り戻して良い作品を創り上げようとするのが主人公の持つパワー。
常務の陰謀をはねのけ、河瀬川や九路田たちと奮闘していく展開は本編に劣らず手に汗握る内容でとても素晴らしかったです。
新刊も楽しみにしています。