働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ぼくたちのリメイク10 エンドロール

《あらすじ》
「僕には、何ができるんだろう」そう思い悩んで、頑張って、挫折して、そしてまた頑張って、いよいよ大芸大の4回生になった僕、橋場恭也。プロとして商業仕事も順調にこなすチームきたやまのメンバーたちとの距離を感じながらも、それでも自分の道を見つけ歩き始めた。皆と卒業制作を進めることになった僕たちはいま一つ方向性を定めることができず、なぜか河瀬川の愚痴に付き合う日々が続いていた。一方、バイト先のサクシードソフトでは会社の雰囲気、そして先輩の茉平さんの様子が何やらおかしくなり……。いま何かを頑張っているあなたの為にある青春作り直しストーリー、辿り着いた先の第10巻。


志野亜貴、小暮奈々子、鹿苑寺貫之の三人とともに大芸大の4回生になった橋場恭也。
志野亜貴のイラストレーターとしての実力は申し分なくこれからの活躍は疑うよしもなく、小暮奈々子と鹿苑寺貫之は既にプロとして商業の仕事もこなし始め個人での活躍の場が広がりつつある。
人を呼び、配置をして働かせるプロデューサーとしての道を歩み続ける橋場恭也が感じているチームきたやまのメンバーたちと距離。クリエイターとして既に活躍し始めている三人を遠く感じるようになるなか、それでもプロデューサーの道を選ぶ恭也の胸中。
大芸大1回生の頃からともに学んできた4人の成長と変化を【卒業】という人生の境目が迫ってきたことにより、あらためて感じさせてくれる物語となっていました。
大学を離れ一度は夢をあきらめかけた貫之、恭也の勧めで歌い手の活動をはじめたナナコ、亡くなった母親や家族と衝突したシノアキ。彼らの人生に大きく影響を与え支えてきた恭也の存在ははかり知れないはずなのに、プロデューサーの職業としての闇の深さのようなもの感じてしまいます。

いつもいつも物語としてとても楽しく読ませてもらい、大芸大というクリエイター志望の学生たちが集まって凄まじい熱量で何かに打ち込む姿、ときには挫折しながらも乗り越えていく展開は本当に心に響いてきます。あらためて素晴らしいラノベであることをここに宣言したいと思います。



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