働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ダメ魔騎士の英雄煌路(ヘルトシュトラッセ)

ダメ魔騎士の英雄煌路(ヘルトシュトラッセ) (MF文庫J)

《あらすじ》
騎士国家センタリアの下級魔騎士アルフは、仕事には毎日遅刻&サボり、模擬試合でも全敗、周囲から恋人関係と誤解されるような妹・アンリの世話を受け、公私ともにダメの烙印を押されている。しかし、亡き両親の思い出の詰まった大切な自宅が出火、焼失。アルフは家の再建のため、武闘大会『騎士祭典』での優勝を目指す。だが―「あなたを更生するのが私の仕事です」手段を選ばないアルフの卑怯な戦い方に幼馴染のセンタリア王姫・リーネの怒りが爆発、ダメダメなアルフの更生に乗り出して!?第11回MF文庫Jライトノベル新人賞受賞のネクストヒーローファンタジー!

ダメ人間のアルフの卑屈な態度に隠された意思が爆発してからの怒涛の展開がとにかく熱い。アルフのように何事にもやる気を見出さないクズキャラクターからにじみ出るしたたかな部分はやっぱりカッコいいですね。普段は寝起きすらまともにしようとしない堕落しきった人間で、極度のブラコン気質な可愛い妹がおはようからおやすみまで老人介護なみの世話焼きぶりで献身的なキャラクターなのもあって、アルフのダメ人間な部分がより際立ってる。この妹にしてこの兄ありなのかと思えるくらいに性格が真逆というか。これだけできる妹を持つとその生活様式に染まるように兄がダメ人間になってしまうのかと思えるくらいの献身的な妹が可愛い。

そんな平和な日常を騎士国家センタリアで職場に勤めながらごく平凡な日々を送っていくなかで突如訪れたセンタリアの窮地。その騒動の渦中に幼なじみでセンタリア王姫・リーネとともに否応なく巻き込まれていく先に、アルフに待ち受ける運命。バトルもストーリーも文句なしに面白い最高のヒーローファンタジー作品でした。武闘大会『騎士祭典』のほうはともかくとして、その後の国家間同士の精鋭をぶつけある勝ち抜き戦はとにかく熱かったです。バトルになるとストーリー性と演出重視で進んでいくバトルよりも、お互いのもつ技術と能力をぶつけ合う真剣勝負のほうが読み応えもあるし読んでいて面白い。戦いの最中で策略が張り巡らされていると戦いのなかに臨場感もあってより熱くなれるからこの手のバトルは何度見ても面白いですね。できることなら新人賞作品からの2巻が刊行されることを願いたいです。