働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ポーション、わが身を助ける 2

ポーション、わが身を助ける 2 (ヒーロー文庫)

《あらすじ》
カエデとカルデノはイノシシに襲われていた三兄弟を助ける。イノシシを倒すカルデノの腕を見込み、一緒に妖精の泉へ行かないかと誘われた。その泉でカエデは自分と同じく異世界から来た男性がいると知る。その男性に会うことが出来たカエデは、今までどう過ごしてきたのか、何を糧に生きてきたのか様々なことを聞き、アモネネという植物のことを知る。それはレシピ本に載っている魔力ポーションの材料だった。アモネネについて図書館で調べていると運悪く貴族のサージスとぶつかり目を付けられてしまう。そんなある時、カエデの家に不審者が現れるのだった―。

異世界に転移して手に入れたアイテム合成能力を活用して生計を建てていたカエデの異世界ライフに元奴隷のカルデノが加わることで、その行動範囲も広がっていろいろな出来事に巻き込まれることになってきた。ポーションを合成する以外は普通の女子高生でしかないカエデがひとたび人里を離れ、モンスターが蔓延る森のなかに出向く。前々からどこか天然気味で抜けているところがあるカエデの行動にひやひやする一面があるなかで、腕っぷしが強くて頼りになるカルデノがカエデの不出来な部分を補うような関係性が見ていて気持ちがいい。

元奴隷と買い主という出会いからスタートした関係性も、これまで寝食を共にしていく中で段々とやわらかくなっている(ような)カルデノの態度を見るからにこれまでよりもふたりの距離感が縮まっているように感じられる。

1巻のなかで大きな山場を迎えてそれを乗り越えるような激動する展開はない代わりに、異世界に転生した女子高生が送る異世界ライフをまったり眺めて楽しめるようなストーリーになっていました。そのなかでも、異世界に転移した人間なら誰しもが立ち向かうことになる『現実世界への帰還方法』について迫るシーンがあるとそれだけでも物語全体に進展があるように感じられ、帰還方法を探るにせよ異世界で一生を迎えるにせよ、この先新たに出会う人物が現実世界への帰還方法のカギを握っているかもしれないという期待感が高まります。
カエデの今後の異世界ライフがどんなものになるのか続きが楽しみです。