《あらすじ》
10年ぶりに家の敷地から出た北条雄二は焦っていた。訳も分からぬまま、家ごと異世界にやってきて暫くの事。衣食住にネット環境まで整うユージの快適異世界生活は順風満帆に思えた。しかし、このライフラインはいつ使えなくなるかも分からない…しかも消耗品には限りもある。そして辿り着いた結論―ユージ、ヨーコ、アリス、コタローは川沿いを南下し、人里を探すべく森の探索を進めていたのだ。そして間もなく事件は起きた。一緒に暮らすようになったアリスが、目を離した隙に何者かに連れ去られてしまう。アリスを助けるべく向かった先にいたのは、皮鎧姿の女騎士と、猫の姿の獣人―二人の自称冒険者で!?
引きこもり――「家」を出て異世界交流へ! !
異世界なのに「電気」「ガス」「水道」「ネット」何でもありの@ホームコメディ、第2巻!
異世界転移ファンタジー系作品のなかでも自宅ごとごっそり転移に巻き込まれて、生活インフラ完備・インターネット環境盤石。異世界での体験談と小ネタをスレを建てて投稿し、有能なクソニート連中のアドバイスをもとにスムーズに異世界での行動方針が定まっていくところがちょっと斬新。何か長所を備えたニートたちが面白おかしくスレに張り付いているおかげで驚異のレスポンスの速さでアドバイスが投稿(大半がにぎやかしクソニート)。
異世界転移系作品において、現地での生活基盤を整えるためにとる行動のひとつに現代文明の技術を持ち込むケースがよくあるけれど、それをひとつをとってもスレに集まる住人たちの介入で『10年ごしの引きニート(以下略』でしか味わえない異世界転移ファンタジーの面白さがあって読んでいてすごく楽しかったです。
異世界で訪れたはじめての人里での冒険者登録と領主への開拓民の申請、異世界に転移した自宅に施された結界、異世界転移者=稀人の呼び名から見える日本への帰還の可能性。まだまだ手探りの異世界探索も進めば進むほど新たな問題に直面していくし、敵を倒すごとに飛躍的に強くなるユウジたちにいったいどんな秘密が隠されているのやら。気になることが多すぎて次の新刊が楽しみですね。