《あらすじ》
孝弘たちの滞在するチリア砦は、一部の転移者の裏切りにより壊滅的な被害を受け、陥落することになった。砦をあとにした孝弘たちは、シランたちに同行して同盟騎士団団長の故国を目指す。だが、そんな彼らを圧倒的なチート能力を持つ“韋駄天”が追っていた―「小説家になろう」発、モンスター娘たちと過酷な現実を生き抜く異世界ファンタジー、待望の第五弾。共同浴場でのひと幕ほか、書き下ろしエピソードを2編収録!
モンスターを操るチート持ちの能力によってチリア砦の内外から壊滅的な被害を受けたために、現状を報告するために生存者を率いて砦を後にするところから話はスタート。チリア砦の戦いで出会った孝弘以外のモンスターを操るチート持ちとの騒動がきっかけで、連絡手段に乏しい異世界で『モンスターを操る能力者が犯人』という情報だけが飛び交っていくおかげで、話がドンドンと悪い方向に向かっていくのが不安でしかたがなかったです。正確な情報が正しく伝わらないおかげで誤解が生じたおかげで同じモンスターを操る能力をもつ孝弘の立場が、ただでさえモンスターを味方にする能力を持っているおかげで異世界での立場が危ういのに、チリア砦の騒動をきっかけにさらに危険なものになってきてとにかくヤバかった。
表紙のイラストが「あっ、韋駄天さんと剣を交えてる。今回はここまで進むのか」と思ってそこに至るまでのストーリーを読んでいたけれど、どれだけ真実を知る人間が正論を述べても絶対に信じてもらえないという最悪のシチュエーションでのご対面でした。日本から転移してきたチート持ちたちがこれだけの騒動を起こすとは考えもしないだけに、今回のチリア砦崩壊の一方が各方面にもたらした影響は大きかったみたいです。
これを読んでるときはもう、いつになったら“韋駄天” VS モンスター娘たちの流れに映るのか気が気でなかったです。犯人だと疑われている孝弘の言動では真実を述べても絶対に信じてもらえないだろうな……とは思っていつつも、いや、チリア砦の戦いで命を落として眷属としてよみがえった異世界人のシランの説明なら理解してもらえるかも……という希望が予想できていたので、この衝突の後には話がどう転んでいくのかが気になってしょうがなかったです。
最後まで読み終わったら読み終わったで、この後はどうなるのかが楽しみになってくるストーリー。次回も楽しみにしたいと思います。