《あらすじ》
「みんなをスマイル、あたしはリッチに! 実はこのあたしは、伝説のサ法使いだったのでした~!!」
カルト教団に洗脳されたエルフ族を解放するため、辺境のミッケリンナ村へとやって来た詩子たち一行。
「サ法使いって、あのおとぎ話に出てくるペテン師じゃないんですか?」
しかし、村の修道女アルマに強く反発され、協力の申し出を拒絶されてしまう――。
「YOU、(教祖)やっちゃいなよ」
ところが詩子は、アルマを教祖に祭り上げて新興宗教パンスト教を興し、村人奪還に乗り出しちゃった!?
悩み相談にマルチ商法、異世界では斬新すぎる布教活動は奏功するのか!? 異世界ファンタジーコメディ劇場型詐欺、第二弾!!
豊富なモノクロ挿絵でもって見せ場のシーンと可愛いキャラクターたちを楽しみつつ、伝説のサ法使い(詐欺師)によるひとつの村を住人たちを巻き込んだ壮大な宗教革命のコミカルなノリを笑って楽しむ異世界ファンタジー。
師匠ちゃんの詐欺師っぷりが交渉がものをいう商談に始まって、あることないことを平然と語って民衆の心を掌握する宗教にとあらゆる方面に幅が効きすぎて恐ろしい。異世界ものにおいて日本の文明の産物が異世界人の思いもよらぬリアクションを引き出していく展開は王道だけれど『師匠ちゃんが履いていたパンスト』を聖具に宗教が広まるケースは前例がないぞ!!
そりゃ、異世界人にとって『パンスト』が未知の衣類なだけにそれに関する情報は全て師匠ちゃんの口から語られる事実だけになるよ。でもそこで、嘘八百を並べ立てて村の住人全員がパンスト教に入信の道にさせるなんてw
パンスト教を村の隅々までいきわたらせる手法が『マルチ商法』に近いえぐい手口なところも、さすがは師匠ちゃんといったところだね。このコミカルなノリと勢いは1巻から劣らずメチャメチャ楽しめて良かったです。