働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

アサシンズプライド4 暗殺教師と桜乱鉄道

アサシンズプライド4 暗殺教師と桜乱鉄道 (ファンタジア文庫)

《あらすじ》
「僕の代わりに死んでもらえないだろうか」事の起こりはセルジュ=シクザール公爵との取引。無能才女に関わる秘密を盾に、彼の影武者として旅行することになったクーファだが…。旅に同行するのは公爵の妹サラシャにその親友ミュール、更に―「…メ、メ、メリダ」「はいっ、ご主人さま!!」メイドに扮したメリダエリーゼ。奇妙な一行でゆく豪華列車の旅に、事件はつきもの。公爵を狙う暗殺者の襲撃、鉱山での化物退治。そして温泉での恋愛談義―「わたし、先生のこと何も知らないのかも」「先生が偽名だったとしたら、どう?」竜騎士公爵を巡る乱と揺れる乙女心をのせ、列車は走る―。

お嬢様(メリダ)と家庭教師(クーファ)の関係が公爵の影武者の任務遂行のために立場が逆転!? メイドに扮するメリダに向けて、普段のクーファらしからぬ口調を強いられて苦境に立たされるクーファ。シリーズを通して築き上げられた彼の『従者』のキャラクターがここにきてネタにされてるのはもちろんのだけど、メイドとしてクーファに奉仕するポジションに図らずもおさまったことに嬉々としているのが可愛い。もっとも、“公爵の影武者の従者”がひとりで済むわけもないわけで、同じくメイドとして奉仕するエリーゼと小さな火花を散らせている雰囲気に、年齢相応の恋愛模様が描かれていて微笑ましかった。

ストーリーもデビュー作の1巻から変わらずに安定していて王道のファンタジー作品。王位につくための通過儀礼として四つの聖石を集める“王の試練”の旅路と公爵を狙う暗殺者の存在。本来ならば何事もなく順調に進むはずの旅路も、常に刺客の存在と動向を意識させられる状況下なだけに波乱続き。窮地を脱して安堵しているところに隙を生じぬ二段構えで予想外の角度からの急展開。王道ファンタジーで手堅く楽しめる作品でした。シリーズも軌道に乗ってこのまま完結を迎えるまで突き進んでほしいかぎりです。