《あらすじ》
「わたしがその試験に合格できなかったら、先生は?いなくなってしまうんですか…?」学院での一年が過ぎ去ろうとする季節。クーファは様々な悪意に晒される教え子・メリダに、進級試験を課す。もし失敗すれば、自らの手を彼女の血に染める覚悟を秘めて―。もう何もできない私じゃない。気負いながらエリーゼと共に試験へ赴くメリダの前に、同じ騎士公爵家の娘ミュールとサラシャが現れ…「三大騎士公爵家の四人娘、初の共同任務よ!」世界を欺く少女に試練と断罪の刃が振り下ろされるとき、暗殺教師と少女は命がけの矜持を示す―!
暗殺教師“クーファ”と教え子“メリダ”の二人の間でこれまで隠し通してきた『メリダの位階』に関する情報を暴くために動き出す新たな追手の存在。メリダの秘密が公然のもとにさらされる最大の窮地と、クーファが彼女のピンチを救うためにい全力を振り絞っているときの緊迫感が凄かった。
ファンタジア文庫でのデビュー作から武器を交えたバトルシーンもクーファとメリダを中心に巻き起こるストーリーも安定して面白い。クーファの教え子として戦いの手ほどきを受けているメリダが日々成長して、格上の人間を相手に技量でもって奮戦して勝利に導いていくまでの展開にも読み応えがあって楽しかったです。