《あらすじ》
少女たちそれぞれの問題が一段落し、“侵略”のかたちは変わりつつあった。フォルトーゼが日本との国交を求めてきたり、それに合わせて魔法使いやサンレンジャーが学校に先生として赴任してきたりと、戻るはずの日常は想像を遙かに超えていて…!?そうして賑やかな日々を送る中、早苗には「不思議な声」が聞こえていた。二年前のあの日、はじまりの時に聞こえたあの声は何を伝えようとしているのか?物語の真相に迫る“六畳間の最終章”がはじまる…!
物語の流れは大きく変わり、日本とフォルトーゼの国交の樹立に伴い、大地の民が有する霊力技術やフォルトーゼが有する先端技術をめぐって諸外国によるスパイの潜入や異星人を受け入れる関連法案の議論など、目まぐるしく日常に変化が訪れる内容でした。
宇宙のはるか彼方からの来訪者であるフォルトーゼの存在は大きなくくりで言えば“異世界人”でもあるので、『日本とフォルトーゼの国交』という形で異なる文化を歩んできた両者が交わるのは、長期シリーズ作品で世界観の土台がしっかり固められた作品なだけに思い入れが強かった。
フォルトーゼとの関係を小さな目線で見れば『フォルトーゼ側が逃亡した青騎士』を国家レベルで追いかけるおちゃめな騒動としてもとらえられるが、現実としては世界情勢を揺るがしかねない大惨事になっていて、とんでもない騒動に巻き込まれることになってた。
フォルトーゼの先進技術が流出して戦争の道具に利用されれば、世界中で泥沼の戦争を巻き起こしかねないし、大地の民や魔法少女の存在が明るみになれば、狭い日本でゆりかやキリカが国家の標的になりかねない。
これまでの六畳間シリーズにない窮地の陥り方でもあり、科学技術と魔法と霊力を兼ね備えた六畳間のメンバーのハイスペックな戦力でもってスパイをやり過ごす展開が新鮮に感じられて面白かったです。
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