《あらすじ》
世界中の魔法師が注目する師族会議は、何者かによる自爆テロによって幕を下ろした。この残酷な計画は、死体を操る魔法によって引き起こされていた。使用された魔法を手がかりに、黒幕を追う達也。そして、「四葉家の司波達也殿がお前と同様、十文字殿の下で捜索に加わる。将輝、意地を見せろよ」そう一条剛毅に発破をかけられた将輝は、『テロの黒幕』捜査メンバーである達也に対抗するように東京へ向かう。深雪に『婚約』を申し込んでいる彼は、思い掛けない手を使って深雪にアプローチを試み…。
師族会議が行われていたホテルへの自爆テロにより多くの民間人が巻き込まれて命を落とすことになった事件がきっかけとなり、社会における魔法師の立場を大きくゆるがす反魔法運動に繋がる流れが進む。魔法会のトップが集う会議と内容なだけに、彼らの口から語られる言葉の重みと事の深刻さが今後、魔法科高校に通う達也たちにどのような変化をもたらすことになるのか非常に気になる流れになってきて面白かったです。
師族会議の自爆テロ事件の黒幕となる魔法師を探し出すために、十文字先輩、七草先輩に達也を加えたメンバーで捜索を続けていくなか、今回の騒動を理由にかこつける形で婚約騒動に待ったをかけるべく執った一手が、『一条将輝を第一高校に編入させよう』といったものになったのもまた驚いた。横浜事変以来の絡みになるのかな? 日常では決して交わることの無いキャラクターどうしが再び会い見えることになったときって、それだけでものすごく絡んだときのシーンが貴重で新鮮に感じられてくるから良いですね。
まあ、第一高校に入学を果たした一条の入学期間が一か月だったことと、ちょうどその期間内に『バレンタインデー』の時期にぶつかること、カラーイラストでこれまで登場してきた第一高校生がチョコレートを渡すカットがあったのでもしやと思ったけど、案の定一条君のもとにもチョコレートが渡されてましたね。『クリムゾンプリンス爆発しろ!!』くらいの体を張った渾身の自虐ネタが聞こえてきそうでした。
魔法科高校の劣等生18巻は上中下のなかの中ということもあって、自爆テロ事件の真犯人との直接対決といった山場を迎えるまでにはいたらず、事件発生から着々と結末に向かう流れといった感じでしたけれど、やっぱり魔法科高校の劣等生は面白い!! ですべてを言い表せるものでした。