働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

戦うパン屋と機械じかけの看板娘 5

戦うパン屋と機械じかけの看板娘〈オートマタンウェイトレス〉5 (HJ文庫)

《あらすじ》
ついに正体を現した宿敵、ワイルティア親衛隊中将・ゲーニッツにスヴェンを奪われてしまったルート。王都ベルンではソフィアまでも捕らえられ、兵器開発局は親衛隊の手に落ちてしまう。かつてない窮地に追い込まれたルートは己の忌まわしき過去を乗り越えて、愛すべき看板娘と共に再びパン屋『トッカーブロート』を開くことが出来るのか!?

4巻のラストでスヴェンがルートと敵対関係になった経緯が壮絶だっただけにこの人気シリーズもこの5巻でとうとう最終巻を迎えることになると思っていたけれど、まさかの6巻の刊行に踏み込むまでこの物語が続くとは夢にも思わなかった。これまで人外のスペックと戦闘能力でもって、パン屋“トッカーブロート”の窮地を幾度となく救ってきたスヴェンも、その中身が機械でできている点が災いして外部から意図的に記憶の改竄と洗脳を受ける。
こういった展開に突入すると、いやがおうにも「最終的にはスヴェンがルートのもとに復帰して大団円!」のような構図を連想してしまうけれど、スヴェンの肉体と精神を機械的なシステム面で完全に掌握して絶対的に解決不能の八方ふさがりの状況のなかから、わずかながらスヴェンを救うための糸口になる光明をのぞかせる演出が凄く感動的でした。
文句なしに面白かったです!