働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

妹さえいればいい。 7

妹さえいればいい。 7 (ガガガ文庫)

《あらすじ》
ついに付き合うことになった羽島伊月と可児那由多。恋も仕事も充実して、ますますリア充真っ盛りとなる2人。そんな2人の交際をきっかけに、羽島千尋、白川京、不破春斗、それから何故か大野アシュリーの心境にも変化が訪れるのだった。千尋の前には新たなライバルが出現し、春斗は彼を慕う新人作家(巨乳)・相生初に熱いアプローチを受ける。近づいてくるクリスマスの足音。変わりゆくもの、変わらないもの。大人気青春ラブコメ群像劇、待望の第7弾!作家や税理士や女子大生たちの、新たな物語が幕を開ける―。

出版業界の実態について幅広く触れるたびに自分の知らない世界を知ることができて好奇心が刺激され、アナログゲームをエンジョイしつつ伊月の周囲の恋愛事情を引っ掻き回してラブコメ感を出しつつ、ライトノベル業界の闇にバッサリ切りこんでシリアスな雰囲気に持っていく。
これらの要素が上手い具合に巡っていくことで常にフレッシュな感覚で楽しむことができ、かつ物語の時間経過を感じさせるエピソードが盛り込まれていて、キャラクターたちの成長と変化も感じられる。

ライトノベル業界の闇に果敢に攻めているところに関しては、ぶっちゃけ一人のライトノベル好きから言わしてもらうと「そんなところにまで踏み込んでいくのか!?」と思えるほどでした。たしかに、自分としても思うところがある内容なだけに、真剣に考える場面でもありましたが、作者の目線から作中のキャラクターを通して語られる内容には重みがあり、これまでの“妹さえいればいい”の中でも最高にヘビーで強烈に印象に残る内容でした。

ライトノベルに関して適当な自論を展開する連中に向けて、アニメを通して全国に向けて攻撃に出たら野次馬的発想で面白くなりそうだけど、精神衛生上はよろしくなさそう。