働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

ラノベのプロ! 2 初週実売1100部の打ち切り作家

ラノベのプロ! 2 初週実売1100部の打ち切り作家 (富士見ファンタジア文庫)

《あらすじ》
「俺と、結婚してくれ」アシスタントで幼馴染みの結麻に、長年の秘めたる想いを告白した神陽太。もう二度とただの幼馴染み同士には戻れない。陽太の踏み出した一歩は二人の関係を決定的に変えていく―変わり始めた関係の気恥ずかしさに悶える陽太だが…一方で“業界の不条理さ”から後輩・小太郎を救う特訓を始めて!?残業代なしで多忙を極める、ラノベ作家青春ラブコメ!

美少女の幼なじみと青春ラブコメしてイチャイチャして扇情的でこのあと滅茶苦茶※※※しそうな描写があるくせに、ストイックにラノベ作家業に励んでいる姿とラノベ業界にあまねく光と闇を濃縮して血反吐を吐きそうになるストレスフルな展開を仕込んできて、激しく感情が揺さぶられる。読後感としては青春ラブコメラノベ業界の比率が5:5の割合ではあるけれど、ひとつひとつのエピソードがもつ強い物語性が主張し過ぎて、その後のキャラクター間の関係図にまで影響する始末。

記憶に刻み込まれる展開をこれでもかと披露しつつ、物語としてクライマックスを迎えるころには劇的な変化を遂げている。今回の物語の中心人物である小太郎の身に起きた悲劇が、ひとりのライトノベルファンとしてもあまりにも酷すぎて感情移入してしまうだけに、『ラノベのプロ』という作品に深くのめりこんで楽しむことができました。