小国で有名なSSランク冒険者パーティー『アルカナ』。
超強大な魔法ばかり扱う魔法士、ただの拳で地面を割るほどの戦士、空間を操作して後方を支援する補助職、ほとんどすべての外傷を癒してしまえる回復士、どんな相手でも一撃で仕留めることのできる暗殺者。 そんな凄腕達で結成されたパーティーが、ついに解散となってしまう。
その理由は――「じ、実は私……エレリア国の第四王女なんですっ!」
パーティーリーダーのアイリスが、実は大陸一の国家の王女だったのだ。彼女は、再び貴族社会にもどってしまうことに。しかし、それぞれアイリスに恩を感じているメンバーはあることを考えた。
「そうだ! アイリスを王にするために僕達が陰で支えてあげればいいんだ!」
恩を返すために、こっそり気づかれないように支える。だが、『アルカナ』の面々はそれぞれクセが強い。
纏め役のアイリスがいなくなった今、“こっそり”などできるわけもなく――「ねぇ、さっきから視線が凄くないかしら?」
「それって横にいる誰かさんブーメランパンツ一丁で歩いてるからだよね、きっと」
最強パーティのまとめ役でみんなから慕われている元リーダーを王女にするため
「だったら俺らでアイリスを王にするために陰から支えてやればいいんだ!?」
ーー盗賊団を討伐後ーー
「よし、これをアイリスがやったと証明するためにわかりやすく証拠を残しておこう!!」
無駄に最強パーティとしての実力が備わっているので全てがハチャメチャで規格外。アイリスを大好きな仲間たちがアイリスという常識枠のストッパーを欠いたことでシュールな日常を繰り広げている様子やノリと勢いで突っ走っていく様子に思わずクスリと笑わせられるコミカルさがあってとてもおもしろい作品でした。
なまじ世界的に見ても最強のパーティでやろうと思いさえすれば国家を相手に喧嘩を売ることも可能ではあるところがたちが悪い。
この問題児だらけの最強パーティが常に騒動の渦中にいて巻き起こす展開が最高に笑えて楽しませてくれる作品でした。
