働きたくない村人のラノベ日記

ブログ開設2014年5月30日

ぼくたちのリメイク4 「いってらっしゃい」

ぼくたちのリメイク4 「いってらっしゃい」 (MF文庫J)

《あらすじ》
貫之は筆を折り、大学を去った。僕、橋場恭也の誰かのための行動は誰かの進むべき道を捻じ曲げた。そして僕は、今度は十一年の時を飛ぶ。シノアキは絵を描くことを辞めていた。ナナコの夢が叶うことはなかった。再び元の年齢へと強制的に戻された僕には、存在しなかったはずの幸せな人生だけが残された。これが、僕が作り直した人生だった。再びゲームディレクターとして働く日々が始まった。同僚の河瀬川や仲間たちと共に毎日のように起きるトラブルを解決する。きっとこれで良いのだろうと呑み込んだ。そして彼女は、微笑み言った。「いってらっしゃい」

シノアキと結婚し娘をもつ家庭を築き、ゲームディレクターとして職場で活躍するひとつの幸せの形。
貫之が筆を折り病院に就職しナナコの夢は叶わずひっそりと歌ってみた動画を投稿している未来は、恭也が過去にタイムスリップしてまで手に入れたかったものでは断じてありえない。シリーズ第3巻のクライマックスで貫之が志なかばで退学という決断を下した事実を受けた先にある未来を通じて、本当の『ぼくたちのリメイク』にたどり着くまでの物語を描いた第4巻からはクリエイターについて門外漢な一般人に対して、クリエイターが創作活動を続けるための本質のようなものを訴えかけてくる作品でした。端的に言って、『シリーズ最高に面白かった』
今回は舞台が大学時代から十一年の時を超えた社会人の視点であるだけに、商業作品に携わっているクリエイターたちの葛藤やシノアキのように一線を退くに至った由縁などデリケートな話題に深く切り込んでいて、そんな人たちの心境や現状をシリアスかつ生々しく描きつつもひとつの物語としてドラマチックに仕立てあげていて、時間を忘れて没頭してしまうくらいにのめりこみました。
さすがはこのラノにランクインしただけのことはありますね。(私も協力者として投票しました)

さほど重要ではないけれど一応言及。恭也とシノアキが結婚したことで二人の間柄はだいぶ変わり、もちろん子どもを作る行為もあったわけですが、大学時代の記憶のままタイムスリップした恭也は最後の一線で踏みとどまって行為には至りませんでした(キスまではOKでした)
次回、えれっと神の描くシノアキとナナコの大学時代の素晴らしいイラストに期待です。