とある出逢いをきっかけに、魔法使いになった七瀬武は、全ての発端である第一次魔法大戦の真っただ中にいた。彼は、トワイライトを失い、過去での家族とも言うべきブレイブ一族をウィザードブレスによって殺され、失意に暮れていた。そんな中、ついに世界が現存世界と崩壊世界――龍泉寺和馬によって二つに分かたれる、運命の日を迎える。武同様、過去に飛ばされた月光は和馬を殺し全てをリセットするために、武は無謀な弟を止めるために立ち上がる。しかし、そこには想像を絶する悲劇が待ち受けていて……!? これは、別れた世界に生きる少年少女の運命……現代・本格魔法アクション第九弾! “崩壊世界"それは終わりを告げる序章――真実の闇を屠れ。
過去編完結! 次はいよいよ現代編。今回の一冊には現代の『ウィザードブレス』と『トレイラー』のおかれている状況までの全てがギュッと濃縮されている感じでしたね。《過去》の“七瀬武”がどうやって《現代》に帰還したか。ブレイブ一族襲撃からのその後。“七瀬月光”の運命。
タイムトラベル展開で王道の『未来の人間によるネタバレ』。ブレイブ一族と“龍泉寺和馬”しか知らずにいた“七瀬武”の身の上が現代では話の中でしか登場しない“相羽つばき”との時を越えた語り合いなど。夢のような絡みがごくごくわずかですが見られます。
この一冊を読み終わると、長い刊行期間を経てようやく完結した過去編を正直もう一度最初から読み返したくなりますね。個人的にはこれからまとめ読みをする人のほうがこの魔法戦争を十分に楽しめると思います。