《あらすじ》
平凡な高校生・白石護道には『秘密』があった。それは前世の記憶を持っていること。
こことは違う別の世界で、護道は人類を救った『英雄』だった。とはいえ、あくまで前世の話。今世ではごく普通の学生生活――のはずだったが、同じクラスに転入してきた少女・椎名麻衣の出現で平凡な日々は一変する。
彼女は護道と同じ転生者で、かつて異世界を災厄に陥れた『魔女』だった。前世では何度も殺し合った仲だが、今更何の用だと尋ねる護道に、麻衣は告げる。
「――私は、貴方がいないと生きていけないのよ！」
「……は？」
第11回ラノベ文庫新人賞《佳作》受賞、
異世界から現代日本に転生した世話焼き英雄とポンコツ魔女によるこじらせ青春ラブコメ！
平凡な男子高校生である白石護道は、かつて前世で人類を救った英雄であった。
平凡な女子高校生である椎名麻衣は、かつて前世で人類を災厄に陥れた魔女であった。
前世では幾度となく殺し合いを繰り広げてきた二人が、魔法の存在しない現代日本で前世の記憶を持ったまま再会をはたし、自らの運命から解き放たれた世界で英雄としてではなく、魔女としてでもなく普通の人間となって青春ラブコメを送るため少しずつ変わっていく姿が描かれる物語でした。
異世界転生×青春ラブコメの要素をとても上手くかけ合わせられた作品だと読んでいて思いました。
災厄に陥っていて殺伐とした日々が続く異世界と平穏な日々が続く現代日本のギャップ、そこに前世の記憶を引き継いでいる二人がお互いの今の生き方について衝突するシリアスな様子がより一層深刻な雰囲気をかもしだしているところが良かったです。
まだ1巻で物語は序盤も序盤ですけれど、個人的にはこの作品はこの先もっと面白くなると期待しているので、もっともっと売れて重版して続巻が出ることを願いたいです。
