《あらすじ》
シリウス――かつて世界最強のエージェントだったが、仲間のために命を落とし、異世界に転生をしてしまった少年。
彼は、前世で果たせなかった『後継者育成』を目標とし、引き継がれた知識と経験をもとに、出逢った人々の生き方に大きな影響を与えていく。“師匠"として――そして、時に“憧れの男"として。「失うものがないなら、俺についてこい。この世界での生き方を教えてやる」
最強のエージェントだった少年が、弟子と共に歩む異世界式育成ミッション、いまここに始動!! 第2回オーバーラップWEB小説大賞"金賞"受賞作。
異世界で転生を果たした主人公の第二の人生のスタート。前世での記憶を引き継いだ赤ん坊から始まり、異世界で新たに手にした魔法の力とエージェントだった頃の技術を融合した新しい戦闘スタイルを生み出す。
魔法が発達した異世界では科学が発達せず、生活インフラの多くが魔法を中心に成り立っている異世界で、シリウスの引き継いだ科学知識が活躍する展開。果ては魔法そのものに対しても科学的な見解をもって効率的な活用方法を編み出すところに、魔法という力の持つさらなる可能性を見出しているようで、読んでいてとてもワクワクしますね。
シリウスの私生活は生まれたころから既に自我が芽生えているだけあり、幼少期における知識の吸収の早さと身体作りを積み重ねてきただけあって、異世界人が魔法を放てる平均的年齢を大きく上回るスピードで身に着け始めます。多くの子供たちが無為に時間を過ごしてく幼少期の全てを超効率的に自分を磨くための時間にあてがっており、シリウスが鍛錬に励む姿が濃く書かれているため、年齢を重ねるごとに『シリウス様の成すことにいちいち驚いていたらきりがない』と断言する従者たちの言葉にもうなずけますね。
そんな超人的強さを身に着けたシリウスですが、肝心の『後継者育成』に関しては、この巻ではまだそれほど触れていない段階です。いや、シリウス自身が『魔法学校』への入学を果たす直前くらいにしか成長していないのと、弟子にする人間との出会いがわりと後半からだったので、まだまだ本格的なスタートを切っていない感じですね。それでも、シリウスの指導のもとで成長する弟子たちの姿を見るに、『こいつらの実力を世の中に解き放ったらすごい評価になりそう』という期待感が1巻でチャージされた分、2巻でどのように立ち回ってくれるのかが楽しみ。小説家になろう年間ランキング1位の肩書は伊達じゃないですね。