ユキトは隣接する3ヶ国連合軍に侵攻されたヴェリス王国を勝利へと導き、“至上の乙女”ソフィアと念願の再会を果たす。カグヤ、ソフィア、そしてユキトに訪れた久しぶりの平穏。だが幸福な日々も長くは続かなかった。大国間の均衡を破り、帝国と組んだアルビオン公国が、ヴェリスへと侵攻を始めた。一方、魔獣討伐のため、故郷のユーレン伯爵領を訪れていたユキトの副官・ミカーナの周囲にも不穏な動きが―。番外編『ミカーナ』を含む「小説家になろう」発、異世界バトルファンタジー第三弾!
ヴェリス王国VSアルビオン公国。周辺諸国の勢力図が塗り替わるような一戦で、これからもますます面白くなりそうで期待できそう。戦争を舞台にしたラノベとなると、主人公を中心に軍隊を構成するメンバーが数多くしてくるので、名前と役職が結びつかなかくなることがあるんですよね。
じっくりと読んで楽しんでいく中で、わからない部分があるともやもやすることがあるんですけど、モンスター文庫は見開きの部分に主な登場キャラクターに関して、ざっくりとした説明が記載されているので読みやすいです。
1、2巻の感想で同じことを書いたと思うけど、ストーリー中で登場するキャラクターたちに関しては各隊長の性格、特徴、イラストで整理しやすい構成になっています。ヴェリス王国内で平和なひと時を過ごしているときにも、隊長たちをはじめとした主要なキャラクターたちとの絡みがあるので、新刊発売までの長いスパンがあったとしても一度そこで整理ができて良かったです。
ミカーナの身に降りかかった窮地……あれは読んでいて緊張感のあるシーンだった。「えっ ミカーナさんこのまま死ぬの?」独立舞台ノックスの隊長兼副官のミカーナは重要な戦力が失われるやもしれぬピンチ。「もしかしたらこの作品は登場人物の一人か二人くらいは殺していく路線なのか? それとも無事に切り抜けることができるのか?」最後の最後までどちらに転ぶかわからない緊張感のある戦闘シーンでした。
異世界転生を果たしたユキトの所有する『相手のステータスを数値化する』異能にも新たに進展がありそうな演出もあって、次巻の発売が待ち遠しい。モンスター文庫の数あるタイトルのなかでもおすすめの1冊です。