働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

異世界迷宮の最深部を目指そう 3

異世界迷宮の最深部を目指そう 3 (オーバーラップ文庫)
激しさを増す“天上の七騎士”によるラスティアラの奪還計画。このパーティで最深部を目指そうと考えるカナミだが、突然ラスティアラがフーズヤーズに帰ってしまったことにより途方に暮れてしまう。そこへパリンクロンがラスティアラを救う方法を持ちかけてくるが、マリアの様子もまた変わり始めていて―。いよいよ幕を開ける聖誕祭。ラスティアラの死期。マリアのカナミに対する恋心。恋を成就させたいアルティ。“天上の七騎士”との決闘。忍び寄る『???』の影。様々な思惑が絡んだ聖誕祭が幕を開け―そして全てが清算される。ここが運命の収束点―異世界迷宮ファンタジー第3巻。





国が誇る最強の戦力の“天上の七騎士”が立ちはだかる中ではたしてラスティアラの奪還。国の決定に逆らった先に待ち受けるものよりもラスティアラ一人の命を救う決意をするカナミを目の前に、カナミの家で家事をこなしていたマリアの身に起こった異変。チート並の強さをもつアイカワ・カナミが見せるラスティアラ奪還までのドラマチックなストーリーと、マリアの中に眠る負の感情を助長する何者かによって引き起こされる悲劇。400ページ近くに及ぶ重厚(物理)で濃密なストーリーだけあって、熱い激闘の連続で読み応えのある1冊。もう読みだしたら止まらなかったですね。

パーティーの中で唯一戦闘能力が低いマリアの持っていた劣等感の種火が徐々に勢いを増していき、やがて暴走していく。これが主人公のアイカワ・カナミとマリアの両方の視点で書かれているのもあって、マリアがとてつもないヤンデレ化していく過程を目の当たりにすることができました。アイカワ・カナミが実は別の世界の人間であることや自らの本当の名前についてとうとう明かすことになったり、ストーリー上ではそれほど大きな進展はなかったものの、アイカワ・カナミの人たちの中では大変に大きな変化が起きることになった3巻でした。