《あらすじ》
精霊の里の民たちとの充実した生活に別れを告げ、遂に当初の目的であった両親の故郷ヤグモに辿りついたリオ。ほどなく彼はカラスキの小さな村で、父方の祖母であるユバと従姉のルリと邂逅を果たす。その後、時が来るまでは明かせないという両親の過去を知るため、リオはしばらく村に逗留し、ついでにお世話になる村の生活水準向上を図ることに!
小説家になろうから書籍化されている数ある作品のなかでも五指に入るくらいのお気に入りの異世界ファンタジー。両親の故郷を目的に始めた旅路で出会った人々との友好を深めていく過程をあれだけのボリュームで書いておきながら、次の目的地へ赴くために出会いと別れを繰り返す……。リオと仲睦まじくするいとこのルリや村娘のサヨの感情の移り変わりを目にした日には、こんなにいい娘が泣く姿なんて見たくない!! この思いが強くなりすぎて読んでいてとにかく辛くなる。新キャラクターであるにも関わらず一巻の内にこれだけ感情移入させるのは卑怯だ! Rivさんの描いたサヨちゃんを見ながら「うわ、この娘めっちゃ健気で純粋で可愛いわー……」それなのにリオの旅を見送らざるをえずに今生の別れを告げられるんだと思うと……うあぁあぁぁぁぁあ!!
めちゃくちゃ面白いのは断言できるんだけど、この喪失感とやり場のない感情にいつも困る。えっ、サヨちゃん再登場しますよね? 一巻で登場した先生もあれからどうなってるのか気になるけれど、これまで登場したヒロインはみんないい娘ばかりだから報われてほしいです。