働きたくない村人のラノベ日記

ラノベの感想ブログ。開設2014年5月30日

マンガの神様 4

マンガの神様 (4) (電撃文庫)

《あらすじ》
祝・左右田伊織、念願の連載決定!!やっと、この天才漫画家の実力が認められたということか…えっ、やっぱり連載撤回って、どういうことですか!天国から一転、窮地に立たされた僕に、さらなる試練が―初恋の少女であり、漫研部長の萌黄にアメリカへの帰国騒ぎが持ち上がったのだ。しかも、そんな彼女から人生初の告白を受けて!?そして僕は気付いていなかった。そのシーンを、楪葉が目撃していたということを。連載への答えと告白への返事、どちらも文化祭終了までに決着をつけなければいけない。伊織が出した答えとは―。電撃文庫MAGAZINEにて連載され、好評を博した完結編が、文庫になって登場!

ベタなトラブルを巻き起こす“マンガの神様”につかれている天才美少女漫画家・杜若楪葉、連載を持てないのが悩みの新人高校生漫画家・左右田伊織、伊織の初恋の相手で漫研部長アメリカ帰国予定の霧生萌黄の三人が中心で展開される物語。電撃小説大賞受賞からのシリーズで、高校生漫画家・左右田伊織がクリエイターとして血のにじむような努力の末に壁を乗り越えていく姿が熱い。泥臭く真正面から面白いマンガを生み出すために困難な道を突き進む光景は、純粋にひとりのキャラクターとして見て尊敬に値するくらい努力の才能にあふれていてうらやましいかぎり。
平たく言えば“意識高い系”に分類されかねない左右田伊織だけれど、あの自信過剰で“天才漫画家(自称)”のキャラクターと貪欲に漫画家としての技術を追い求めていくキャラクターが合わさると、ただのマンガ馬鹿な側面も見えてきて面白い。
伊織たち三人の恋の行方もここにきてひとつの結末でもって落としどころを付けてきたけれど、純粋に楪葉と伊織のカップルが誕生してデートをする光景がイラスト付きで一度でいいから見てみたかったです。
このシリーズが完結を迎えたことはかなり残念だけれど、次回作に向けての活動を示唆するコメントもあったので次回作に期待です。